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【メンタリストDaiGo】が語る「虚言癖の女性」に共通する5つの心理

虚言癖の女性に共通する5つの心理とは

1. 自尊心の低さが嘘を生む自己防衛に

虚言癖の女性に見られる特徴のひとつが、「自尊心の低さを補うために嘘をつく」という心理です。 これは一時的な虚栄心とは異なり、根本的な自己評価の低さからくる防衛反応であり、非常に深刻な問題を内包しています。

嘘をつくという行為は、単なる誤魔化しではなく、自分の存在価値を保とうとするための苦肉の策であることも多いです。 特に女性の場合、幼少期のトラウマや対人関係での失敗経験が積み重なることで、劣等感が強まり、自尊心が著しく損なわれる傾向があります。

こうした心理的背景から、「本当の自分を知られたら見捨てられる」と感じ、自分を守るために嘘を繰り返してしまうのです。 この傾向は、精神的に不安定な状態が続いている人に多く見られます。

実際、心理学的な調査によれば、若者の約18.1%が日常的に嘘をついており、そうした人々の多くが自己評価の低さを抱えていることがわかっています。 このような傾向は、生活の質や学業、対人関係にも悪影響を及ぼし、本人の人生全体に深刻な影を落とします。

嘘は一時的な安心、しかし長期的には悪循環

虚言によって一時的に安心を得られたとしても、それは現実逃避に過ぎません。 やがて嘘を重ねることで自己矛盾が大きくなり、現実と向き合う力が失われていきます。

自分を守ろうとしていたはずの嘘が、逆に自己嫌悪や他者不信を引き起こし、さらなる嘘を呼ぶという悪循環に陥るのです。 この心理状態は、シカゴ大学の研究でも確認されており、虚言とメンタルヘルスの悪化には強い相関があるとされています。

「嘘を嫌う人」が嘘をつく皮肉な構造

興味深いのは、「私、嘘が嫌いなんです」と公言する人ほど、実は頻繁に嘘をついているケースがあるという点です。 これは自己否定的な認知を隠そうとする無意識の心理が作用していると考えられています。

人間は誰しも少なからず嘘をつくものですが、頻繁かつ慢性的に嘘をつく場合は、自己防衛の手段として嘘が機能してしまっている証拠です。 特に親密な関係や恋愛において、この種の虚言は信頼関係を破壊する要因となります。

嘘を見抜くことより、嘘をつく理由を理解する

虚言癖のある人と関わる際、相手の嘘を見抜こうとするよりも、「なぜその人が嘘をつくのか」を理解する視点が重要です。 背景にある心理的要因や心の傷に目を向けることで、必要以上に感情的な反応を避けることができます。

ただし、その理解は共感や許容を意味するものではありません。 必要以上に深入りせず、自分自身の精神的安全を優先することが大切です。 特に、嘘が繰り返される状況では、距離を取る判断も必要となるでしょう。

それでも信じたいと思ってしまうのはなぜ?

嘘に気づいてもなお、「きっと悪気はない」と思ってしまうのは、人間関係における希望や期待の裏返しです。 しかし、嘘を正当化し続けることは、自己犠牲と同義でもあります。

繰り返される虚言には、明確な心理的背景と傾向があります。 相手の人柄を見極めるためにも、「自尊心の低さから来る嘘」という視点を持つことが、健全な人間関係の構築に役立ちます。

2. 同情を引くための防衛型の嘘に要注意

虚言癖のある女性の中には、「他人の共感や同情を引き出すために嘘をつく」という傾向が見られます。 このタイプの嘘は、単なる見栄や誇張とは異なり、自分の存在を守るための“防衛本能”に基づいています。

一見すると気弱で傷つきやすい印象を与えるため、周囲からは「守ってあげたい」と思われやすく、 結果的に嘘が成功しやすいという特徴があります。 しかし、こうした虚言は人間関係に深刻な歪みをもたらします。

境界性パーソナリティ障害との関連が指摘される

このような防衛型の嘘は、境界性パーソナリティ障害(BPD)に見られる傾向と重なります。 特徴としては、以下のような行動が挙げられます。

  • 些細な体調不良を深刻に誇張する
  • 過去の虐待や不遇な体験を脚色して語る
  • SNSで被害者的な投稿を繰り返す
  • 「見捨てられ不安」により、事実を歪める

これらは本人にとっては自己防衛の一環ですが、周囲にとっては混乱と不信の元になります。 特に親しい関係にある人間ほど、精神的ダメージを受けやすくなります。

「聞かれてもいないのに語り出す」は危険信号

防衛型の嘘を見抜く上での重要なサインが、「初対面なのに唐突に不幸話をする」という行動です。 たとえば以下のような発言が典型です。

  • 「実は親から虐待されていた」
  • 「難病で長く入院していたことがある」
  • 「昔ストーカーに襲われたことがある」

もちろん、これらの経験自体を軽視するわけではありません。 問題なのは、それを必要以上に語りたがる姿勢にあります。 通常、人は深刻なトラウマを初対面の相手に話すことをためらいます。 それを「武器」にして人間関係を操作しようとする姿勢が、虚言の本質です。

なぜ嘘をついてまで共感を得たがるのか

この種の虚言は、愛情や承認に飢えた心理から来ています。 自分に自信が持てず、他者の関心や同情にすがることで、ようやく存在価値を感じるという構造です。

しかし、こうした嘘は長期的には信頼を損ね、孤立を深める結果になります。 本人にとっても苦しさを増幅する「逆効果の戦略」と言えるでしょう。

SNS時代が加速させる“被害者アピール”

近年、SNSの普及によりこの傾向はさらに顕著になっています。 「いいね」やコメントで承認される構造が、被害者アピールを強化する温床となっているのです。

たとえば、実際には大きな問題でないことを大げさに投稿したり、 事実と異なる体験談をセンセーショナルに語ったりする行為が典型です。

こうした投稿には、多くの場合“過去のトラウマ”や“他人からの攻撃”が含まれており、 見る側の同情心を巧妙に誘うよう構成されています。

その優しさ、操作されていませんか?

「つらい思いをしてきた人なら支えてあげたい」 そう思うのは自然な感情ですが、相手の言葉が事実かどうかを見極める冷静さも必要です。

すべての虚言が悪意に基づいているわけではありません。 しかし、自分の感情や行動が誰かの嘘によって操られている可能性に気づいた時、 その関係性を見直す勇気もまた重要です。

3. 男性より誠実?それでも嘘をつく理由

一般的に、女性は男性よりも誠実だとされ、嘘をつく頻度も少ないという調査結果が複数報告されています。 しかし、それにもかかわらず「虚言癖の女性」が存在するのはなぜなのでしょうか。

その背景には、社会的役割や心理的な欲求、人間関係の構造に根ざした“女性特有の嘘”の特徴があります。 誠実性の高さと虚言癖の発生は、必ずしも矛盾するものではないのです。

女性の嘘は「優しさ」が動機となることが多い

女性がつく嘘には、相手を傷つけまいとする「ホワイトライ(白い嘘)」が多く見られます。 これは社会心理学でも指摘されており、自己利益のために嘘をつく傾向が強い男性とは対照的です。

バンダービルト大学の研究(2022年)によれば、女性の嘘は「関係の維持」や「場の空気を壊さないため」といった 他者への配慮が動機になっているケースが多いとされています。

つまり、女性の嘘は“優しさ”や“共感力”の裏返しであり、 意図的な操作よりも、無意識のうちにつかれることが多いのです。

それでも嘘が問題化する理由とは

たとえホワイトライであっても、頻度や内容次第では信頼を損ねます。 特に「自己防衛」や「注目を集める目的」で繰り返される嘘は、周囲に混乱と不信を生みます。

一部の女性が抱える「虚言癖」は、まさにこの信頼を損ねるパターンに当てはまります。 これは特別な心理状態や精神的負荷が関与している可能性が高いと言えるでしょう。

人口全体で見れば虚言癖の女性は少数派

虚言癖のある女性の存在は目立ちやすいため、「女性は嘘つき」という誤解を生むことがあります。 しかし、統計的には虚言癖を持つ人の多くは男性です。

社会心理学のメタ分析によれば、男女を問わず、誠実性の高さは個人の性格に依存する傾向があります。 したがって、「性別」よりも「性格特性」や「精神状態」の方が嘘の有無に影響しているのです。

嘘を見抜くことより「嘘をつきやすい性格」を避ける

人間関係において、嘘を100%見抜くことは非常に困難です。 そのため、「嘘をつきやすい性格かどうか」を見極める方が実践的です。

たとえば以下のような特徴がある人物には注意が必要です。

  • 自己中心的な発言が多い
  • 被害者意識が強く、他責的である
  • 過去の話が極端にドラマチック
  • 他人の秘密をやたら話したがる

これらの特徴は、虚言癖の一部として現れる可能性があり、 早期に距離を置く判断を下すための指標となります。

なぜ少数派の虚言癖が強い印象を残すのか

虚言癖のある女性は、話のインパクトが強いため、記憶にも残りやすく、 「こういう人に出会ったことがある」というエピソードとして広まりやすい傾向があります。

これが「女性の嘘は怖い」といった誤解につながりやすく、偏見や性差別的な視点を助長する場合もあります。 実際には「嘘をつくかどうか」は性別ではなく、個人の内面に起因していることを忘れてはいけません。

本当に信じるべき人とは

大切なのは、嘘を一切つかない人を探すことではなく、 「信頼を裏切らない行動を積み重ねている人かどうか」を見極めることです。

たとえ過去に嘘をついていたとしても、誠実な努力を続ける人は信頼に値します。 逆に、共感や同情を得るために嘘を繰り返す人とは、距離を取ることが賢明です。

関連記事:〖メンタリストDaiGo〗他人の男を欲しがる女性の心理を科学で徹底解説!

4. 演技型の虚言は現実逃避のサイン

虚言癖の女性の中には、「現実逃避」の一環として嘘をつくタイプが存在します。 このタイプは、自分の人生や過去を“物語化”することで、現実の苦しさから目をそらそうとする傾向があります。

こうした虚言は、他人を欺こうとする意図というよりも、 「自分自身が信じたい嘘」によって生きる現実を塗り替えようとする行為です。 その背後には、強い承認欲求と自己否定感が隠されています。

悲劇のヒロインを演じる心理

演技型の虚言では、自分を「不幸な存在」として演出するケースが目立ちます。 たとえば以下のような嘘が代表例です。

  • 有名人の親戚・恋人であると主張する
  • 重大な難病と戦っていると話す
  • 壮絶な過去や家庭環境を誇張する
  • 他人の注目を集めるための経歴詐称

これらの虚言は、ドラマの登場人物のような「役割」を演じることによって、 自分の人生に意味を持たせようとする心理に基づいています。

背景にあるのは愛情不足と承認欲求

演技型虚言の多くは、幼少期の愛情不足や家庭内トラウマに起因すると考えられています。 愛されなかった経験が、「誰かに注目されたい」「特別な存在だと思われたい」という欲求を肥大化させるのです。

その結果、「注目を集めるための嘘」が常態化し、現実と虚構の境界が曖昧になっていきます。 このような心理状態は、演技性パーソナリティ障害に典型的であり、専門的な治療が必要とされる場合もあります。

嘘が“癖”ではなく“病気”になる瞬間

虚言が習慣を超え、依存や病理として現れるケースも存在します。 代表的な例が「ミュンヒハウゼン症候群」です。

これは、周囲の同情や注目を得るために、自分の病気や経歴を偽装する精神障害であり、 深刻な場合には医療リソースを不正に利用するなどの問題行動にもつながります。

SNSで自称難病患者が話題になることがありますが、その中には実際にこの症候群が疑われる例もあります。 こうした行動は単なる嘘ではなく、精神的疾患として社会的対処が求められる問題です。

“現実”を避けるために“物語”を生きる

演技型の虚言癖の人々は、現実のつらさを直視する代わりに、 創作した人生を信じ込むことでバランスを保とうとします。 これは一種の「自己保全」であり、同時に周囲とのコミュニケーションを歪める要因でもあります。

本人にとっては真実であっても、周囲にとっては不自然な言動に映るため、 時間が経つにつれて信頼を失い、人間関係が破綻することも少なくありません。

どこまでが嘘で、どこからが現実か

演技型の虚言には、本人すらも真偽の区別がつかなくなるという特徴があります。 嘘を重ねるうちに、それが記憶に刷り込まれ、現実の出来事として認識されるようになるのです。

これは心理学における「自己欺瞞」の一種であり、虚構を現実化するメカニズムのひとつとされています。

「あの人、ちょっと話が大げさだな」と思ったら

演技型虚言癖を見抜くには、以下のような特徴に注目すると良いでしょう。

  • 話に具体性がなく、突っ込むと話題を逸らす
  • 過去の経歴や体験に一貫性がない
  • 常に注目の中心でいたがる
  • 他人との競争意識が強く、話を盛りがち

これらの特徴が複数当てはまる場合は、 相手が“物語の中で生きている”可能性を疑い、深入りを避けることが賢明です。

5. 嘘に依存する人は病的傾向がある

虚言癖が深刻化すると、「嘘をつくこと自体が目的」になるケースが存在します。 これは単なる習慣や癖を超えた、いわば“嘘依存症”とも呼べる心理状態です。

こうした人々は、嘘をつくことで快感を得たり、満足感を感じたりするため、 嘘そのものが報酬となっており、衝動的に繰り返してしまいます。 これは病理的なレベルに達している可能性が高く、周囲にとっても極めて厄介な存在となります。

10人に1人が「病的な嘘つき」

アンジェロ州立大学の研究(2020年)によれば、成人のおよそ8〜13%が 「日常的に嘘をつくことがやめられない」という傾向を持っていると報告されています。

この数字は決して少なくなく、10人に1人が“嘘依存傾向”を抱えている可能性を示しています。 つまり、職場や恋愛、友人関係など、日常のあらゆる人間関係に潜んでいるのです。

嘘が習慣化するメカニズム

嘘が依存へと変わる理由のひとつが、「自己肯定感の補完」です。 現実に満足できず、自分に自信が持てない人ほど、虚構の世界で自分を大きく見せようとします。

最初は小さな嘘でも、成功体験が積み重なることで快感が強化され、やがて常習化していきます。 この構造は、アルコールや買い物などの依存症と非常に似ており、心理学的には同じ報酬系の反応が働くとされています。

嘘をやめたくてもやめられない

病的な嘘つきは、自覚があっても嘘をやめることができません。 これは意志の問題ではなく、自己制御の障害として捉えるべきです。

実際、こうした傾向を持つ人は、対人不安や孤独感を強く感じており、 人と深く関わることへの恐れを「嘘」というバリアで防ごうとします。

被害者は気づきにくく、長期的に傷つく

嘘依存型の虚言癖は、非常に巧妙で演技力が高いため、周囲がすぐに気づくことは困難です。 しかも、嘘の内容が一貫しておらず、時と場合によって話が変わるため、 被害者は混乱し、自分が悪いのではないかと錯覚することもあります。

このような関係は、心理的な支配構造に陥りやすく、長期的に精神的ダメージを残します。 恋人関係や友人関係、時には家族間でも起きる深刻な問題です。

関わってはいけない嘘の見極め方

以下のような特徴が見られる場合、その人は“嘘依存傾向”を持っている可能性があります。

  • 日常的に話を盛る癖がある
  • 過去の話に一貫性がない
  • 嘘が指摘されても軽くごまかす
  • 同情や称賛を求める話が多い
  • 嘘がバレても謝罪より弁解を優先する

こうした兆候に気づいたら、相手の真意を見抜こうとするよりも、 距離を置いて自分の心を守る選択をすることが重要です。

嘘は“直せる”が、周囲はその責任を負うべきではない

虚言癖や嘘依存は、心理療法やカウンセリングを通じて改善が可能です。 しかし、そのサポートは専門家の領域であり、友人や恋人がその役割を担うべきではありません。

もし身近に虚言癖の人物がいた場合、共依存にならないよう注意が必要です。 「私がなんとかしてあげたい」という気持ちは理解できますが、 相手の問題を背負い込むことは、自分自身の幸福を損なうリスクを伴います。

「信じること」と「疑うこと」は両立する

人間関係において、すべてを疑うことは不健全ですが、 “信じるに値する相手かどうか”を見極める目を持つことは、成熟した関係を築く上で不可欠です。

嘘を見抜くのではなく、嘘に依存する可能性のある性格傾向を把握し、 自分の人生において“誰と付き合うか”を選ぶ判断力を持ちましょう。

[出典情報]

このブログは人気YouTube動画を要約・解説することを趣旨としています。本記事では「【初対面でコレ言ってきたら危険】虚言癖の女の心理」を要約したものです。

読後のひと考察──事実と背景から見えてくるもの

「虚言」や「嘘」をめぐる議論では、個人の性格や性別に原因を短絡させがちです。しかし、研究知見を俯瞰すると、虚言行動は少数の“多弁な嘘つき”が全体の件数を押し上げるなど、分布が極端に偏っていることが明らかになっています(Serota & Levine, 2015)。この前提を踏まえ、心理学・精神医学・社会心理学の第三者研究を基に、虚言の背景を整理します。

自尊感情と虚言の関係──「健康」との関連をどう読むか

虚言が一時的な自尊感情の維持や不安回避に機能することは、複数の臨床研究で指摘されています。病的虚言(pseudologia fantastica)を概説した総説によると、本人が誇張的な物語を「事実」として体験することがあり、しばしば生育期の逆境や併存疾患と関連づけられます(Curtis et al., 2020)。

また、嘘を減らすことを促す介入が自己申告の健康状態や人間関係の満足度と関連するという報告もあります(American Psychological Association, 2012)。ただし、この実験は少人数で自己申告中心のデータであり、一般化には慎重さが求められます。さらに、病的虚言は独立した疾患ではなく、人格特性や作為性障害など他の精神状態と重なり合う概念であることも確認しておく必要があります(StatPearls, 2025)。

同情獲得を目的とする虚言──被害アピールとSNSの力学

同情や支援を引き出す目的でのシグナル行動は、性格特性との関連が報告されています。実験的研究では、マキャベリアニズムなど「ダークトライアド」特性が強い人ほど、徳や被害を強調する自己呈示を行う傾向があることが示されました(Ok et al., 2021)。ただし、これは群間の平均差にすぎず、個人の動機を断定する根拠にはなりません。

一方、医学的には、注目や同情を得るために病気を装う「作為性障害(旧ミュンヒハウゼン症候群)」が知られており(NHS, Overview)、社会的資源の誤用につながることがあります。SNSの仕組みは、他者からの反応を即時に得やすい構造を持つため、こうした行動を強化する可能性があると指摘されています。ただし、各事例の医学的評価は専門家による判断が前提であり、素人の診断は避けるべきです。

性差の議論──「誰が嘘をつきやすいか」は文脈次第

「女性(あるいは男性)は嘘をつきやすい」という一般化は、実証的には限定的な支持しか得られていません。経済実験のメタ分析では、男性の方が自己利益を伴う“ブラック・ライ”を選びやすい傾向がある一方、状況や嘘の種類によって結果が揺らぐことが報告されています(Capraro, 2018)。さらに、日常生活では、嘘の分布が少数の多発者に偏るため、性別よりも個人差の影響が大きいと整理するのが妥当です(Serota & Levine, 2015)。

性差に基づくステレオタイプ化は、誤認や偏見を助長するおそれがあります。虚言を理解するうえでは、性別よりも「動機」「環境」「心理的背景」といった要因を総合的に見る視点が必要です。

「演技型」に見える振る舞い──診断枠組みと誤用のリスク

虚言が「物語を演じる」ような様相を示す場合、鑑別に挙がる精神状態はいくつか存在します。代表的なものが、他者からの注目獲得を主目的とする「作為性障害」と、誇張的な語りを繰り返す病的虚言です(NHSStatPearls, 2025)。また、境界性パーソナリティ障害(BPD)では、対人不安や見捨てられ不安により事実の解釈が不安定化することがあります(NIMH)。

これらのラベルは、本人の行動を一面的に評価するためのものではなく、臨床的支援を導くための概念です。素人判断で他者に当てはめることは、支援から遠ざける危険があります。

「嘘を見抜く」よりも境界線と被害予防──実務的な視点

研究によれば、嘘の多くはごく少数の人に集中している一方、誰もが状況によって嘘をつくことがあります(Serota & Levine, 2015)。そのため、相手の性格を診断するよりも、事実を確認できる仕組みや境界線を設け、自身の心理的安全を確保することが現実的です。

臨床的な問題が疑われる場合は、心理療法(例:対人スキル訓練、DBTなど)が有効なケースもあります(NIMH)。ただし、介入の担い手は家族や友人ではなく専門職であるべきという倫理を確認しておくことが重要です(Curtis et al., 2020)。

歴史的・統計的な視点──「頻度」ではなく「偏り」に注目する

嘘の議論は「誰がどれほど頻繁に嘘をつくか」に注目しがちですが、実際には分布の偏りが鍵です。米英の調査では、1日の嘘の大半を少数の人が占めることが繰り返し確認されています(Serota et al., 2021)。この視点に立つと、目立つ事例から性別や属性全体を推論する危うさが浮かび上がります。虚言の問題を考える際には、統計的偏りを前提にしたうえで、個別の背景や状況依存性を評価することが求められます。

倫理とパラドックス──「誠実さ」を求めるほど硬直化する

「嘘を嫌う」と強く主張するほど、他者の小さな誤りにも厳しくなり、関係が硬直化するという逆説もあります。実験経済学の知見では、“正直さ”は意思決定を改善しますが、対人関係では「完全な正確さ」と「関係の維持」が必ずしも両立しません(Capraro, 2018)。

現実的には、虚言を防ぎつつ関係を維持するために、記録を残す、約束を文書化する、第三者基準を導入するなど、検証可能性を高める工夫が有効と考えられます。

おわりに──属性化ではなく、検証と支援の設計へ

虚言を性別や単純な性格に帰す視点は、データとも整合せず、支援を遠ざける危険をはらみます。重要なのは、①嘘の分布は偏っている、②一部は臨床的支援の対象となりうる、③性差よりも動機・環境・心理的背景が説明力を持つ――という三点です。

関係を守るために必要なのは、他者の内面を断定することではなく、事実を検証できる仕組みと適切な距離、そして必要に応じて専門家へつなぐ判断力です。何を、どの基準で信頼に載せるのか。その作法を考え続けることこそ、健全な人間関係の第一歩といえるでしょう。

出典一覧