目次
いきなり!ステーキと鳥貴族が店舗拡大で失速した理由
- ✅ 急速な店舗拡大は売上成長につながる一方、出店地域が重なると店舗同士で顧客を奪い合う状態が生まれます。
- ✅ いきなり!ステーキと鳥貴族は、店舗数の増加に対して既存店の売上や収益性を維持することが難しくなりました。
- ✅ 飲食チェーンを長く成長させるには、出店数だけでなく、1店舗あたりの価値と利益を高める経営が必要です。
急成長を支えた積極的な出店戦略
いきなり!ステーキと鳥貴族は、分かりやすい商品と手頃な価格を強みに店舗数を増やしてきました。いきなり!ステーキは、厚切りのステーキを比較的気軽に食べられる業態として注目を集め、鳥貴族は均一価格を前面に出した焼き鳥チェーンとして幅広い利用者を獲得しました。
人気が高まっている段階では、新しい地域に店舗を出すたびに新規顧客との接点が増えます。店舗数の増加がそのまま売上の拡大につながりやすいため、積極的な出店は合理的な成長戦略に見えます。知名度が高まり、街中で看板を目にする機会が増えることも、ブランドの浸透を後押しします。
ただし、出店による成長には限界があります。利用者の数が無限に増えるわけではないため、一定の店舗数を超えると、新店舗が新しい需要を開拓するのではなく、既存店舗の利用者を分け合うようになります。ここが、急成長した飲食チェーンがぶつかりやすい壁です。
店舗同士が顧客を奪い合うカニバリゼーション
近い地域に同じチェーンの店舗が増えると、店舗同士で顧客を奪い合う状態が起こります。これは「カニバリゼーション」と呼ばれ、自社の新しい商品や店舗が既存の売上を食い合う現象を意味します。
新店舗が増えれば、会社全体の売上は一時的に伸びる可能性があります。しかし、以前から営業していた店舗の売上が落ちれば、1店舗あたりの収益性は悪化します。家賃や人件費、食材費などの固定的な負担は残るため、売上が少し下がっただけでも利益は大きく減りかねません。
特に飲食店は、開店後も継続的な運営コストが発生します。出店費用を回収する前に売上が伸び悩めば、新店舗が会社の成長を支える存在ではなく、経営を圧迫する存在になってしまいます。店舗数が多いこと自体ではなく、それぞれの店舗が十分な利益を生み出しているかどうかが重要です。
成長期と成熟期では必要な経営が異なる
店舗が少ない成長初期には、知名度を高めながら出店地域を広げることが優先されます。一方、全国的に知られる段階まで成長すると、同じ方法を続けるだけでは成果が出にくくなります。市場に空白が少なくなり、条件のよい立地を確保することも難しくなるためです。
成長期には「どれだけ早く店舗を増やせるか」が重視されますが、成熟期には「既存店をどれだけ強くできるか」が重要になります。客単価を高める工夫、再来店を促す仕組み、メニューの改善、店舗運営の効率化など、1店舗ごとの価値を高める経営へ切り替える必要があります。
この切り替えが遅れると、売上を伸ばすためにさらに出店を続けるという循環に入りやすくなります。新店舗によって短期的な売上を作れても、既存店の業績が落ち続ければ、チェーン全体の経営基盤は弱くなっていきます。
店舗数ではなく選ばれる理由が成長を支える
飲食チェーンの持続的な成長を支えるのは、店舗数の多さだけではありません。利用者が「近くにあるから入る」のではなく、「この店を選びたい」と感じる理由を作ることが欠かせません。
いきなり!ステーキと鳥貴族は、低価格や分かりやすい業態によって急速に支持を広げました。しかし、似た価格帯や商品を提供する競合店が増えると、利用者は別の店にも移りやすくなります。価格や立地だけに来店理由を依存すると、店舗を増やした後の成長が難しくなるのです。
つまり、急速な店舗拡大そのものが問題なのではありません。拡大した店舗を支えられるだけの需要と、競合店では代替できない価値を作れているかがポイントです。出店数を競う段階から、1店舗あたりの利益と顧客満足を高める段階へ移行できるかどうかが、飲食チェーンの寿命を左右します。
さらに、店舗の収益性を守るためには、価格設定や人件費の問題も避けて通れません。次のテーマでは、安さを強みにした飲食チェーンが直面する低利益率と人手不足の構造を整理します。
安売り飲食チェーンが直面する低利益率と人手不足
- ✅ 低価格を強みにする飲食チェーンは、売上があっても利益が残りにくく、原材料費や人件費の上昇に弱い構造を抱えています。
- ✅ 安さを来店理由にすると値上げによる客離れが起こりやすく、経営改善に必要な価格変更が難しくなります。
- ✅ 人手不足が進むなかでは、低賃金に頼る運営を見直し、少ない人数でも利益を出せる仕組みが必要です。
売上が大きくても利益が残るとは限らない
飲食チェーンの経営を見るときは、店舗数や売上高だけでなく、最終的にどれだけ利益が残っているかを確認する必要があります。多くの利用者が訪れ、店内がにぎわっていても、食材費や人件費、家賃などの支出が大きければ、会社に残る利益はわずかです。
特に低価格を売りにする業態では、1人の利用者から得られる利益が小さくなります。そのため、多くの客数を確保しながら、食材の仕入れや店舗運営を効率化しなければなりません。わずかなコスト上昇や客数の減少でも、収益が急激に悪化する可能性があります。
いきなり!ステーキや鳥貴族のように、手頃な価格を成長の原動力としてきたチェーンでは、利益率の低下が経営の重い負担になります。利益率が数%程度しかなければ、売上が少し落ちただけでも利益が消え、赤字に転じかねません。つまり、売れているように見える状態と、安定して利益を生み出している状態は別のものです。
安さを武器にすると値上げが難しくなる
低価格には、利用者を集めやすいという大きなメリットがあります。一方で、安さそのものが来店理由になると、価格を上げたときに選ばれにくくなるという弱点があります。
利用者が「この店の商品が好きだから通う」のではなく、「安く食べられるから利用する」と考えている場合、値上げによって店を選ぶ理由が薄れてしまいます。同じような商品をより安く提供する競合店があれば、別の店へ移ることも難しくありません。
しかし、食材費や光熱費、人件費が上がるなかで、価格を据え置き続けることにも限界があります。値上げを避ければ利益が減り、値上げをすれば客数が減る可能性があるため、安売り型の飲食チェーンは難しい判断を迫られます。
ここで重要になるのが、価格以外の来店理由です。商品の独自性、店内での楽しさ、接客の心地よさなど、利用者がその店を選ぶ理由を複数持っていれば、多少の値上げがあっても支持を維持しやすくなります。
人件費を抑える経営には限界がある
飲食店の運営では、人件費が大きな割合を占めます。接客、調理、清掃、発注など、多くの業務を人の手で行う必要があるためです。低価格を維持しながら利益を確保しようとすると、人件費をできるだけ抑える経営になりやすくなります。
ところが、人手不足が進む状況では、低い賃金のまま働き手を集めることが難しくなります。採用できなければ既存の従業員に負担が集中し、接客や料理の品質が下がる可能性もあります。さらに、忙しさに対して待遇が見合わなければ離職が増え、採用と教育を繰り返すコストも発生します。
人件費は単純に削減すればよい費用ではありません。店舗の品質を支え、利用者の満足度を左右する重要な投資でもあります。必要な人数や待遇を確保できない状態では、短期的に経費を抑えられても、長期的な競争力は弱くなってしまいます。
価格競争から抜け出す仕組みが必要になる
低利益率と人手不足を乗り越えるためには、単に店舗を増やしたり、従業員の負担を重くしたりする方法では不十分です。少ない人数でも運営できる注文システムや調理工程の見直しに加え、利用者が納得できる形で客単価を高める工夫が求められます。
かんたんに言うと、安さだけで勝負する経営から、価格以上の価値を感じてもらう経営への転換が必要です。特徴のある商品やサービスがあり、その店を選ぶ明確な理由があれば、価格を適正な水準へ調整しやすくなります。そこで得た利益を従業員の待遇や店舗体験の改善に使えば、さらに店の魅力を高める循環も生まれます。
いきなり!ステーキと鳥貴族が直面した問題は、単なる売上不振だけではありません。安さを軸に集客し、店舗数と客数を増やすことで成長してきたモデルが、コスト上昇や人手不足に対応しにくくなったことが本質です。
こうした価格競争から抜け出すうえで参考になるのが、特定の商品や体験を理由に選ばれる飲食チェーンです。次のテーマでは、吉野家が値上げを受け入れられやすい理由と、串カツ田中が作り出している体験価値を整理します。
吉野家が値上げしやすい理由はブランドと体験価値にある
- ✅ 吉野家は安さだけでなく、「吉野家の牛丼を食べたい」と思わせる商品価値を築いています。
- ✅ 競合店で簡単に代替できないブランドがあれば、多少の値上げがあっても利用者の支持を保ちやすくなります。
- ✅ 飲食チェーンを長く続けるには、価格以外の楽しさや独自性を作り、その店を選ぶ理由を増やすことが重要です。
吉野家は安さだけで選ばれているわけではない
吉野家の強さは、低価格の牛丼を提供していることだけではありません。利用者のなかに、「牛丼なら吉野家を選びたい」という明確な好みが生まれている点にあります。
牛丼チェーンには複数の選択肢があり、価格やメニューの種類だけを比べれば、ほかの店を選ぶこともできます。それでも吉野家に足を運ぶ利用者がいるのは、味や店の雰囲気、長年の利用によって蓄積された安心感などが、ひとつのブランドとして認識されているためです。
ここがポイントです。利用者が商品そのものに価値を感じていれば、多少の価格差があっても、すぐにほかの店へ移るとは限りません。安いから利用する店ではなく、その商品を食べたいから利用する店になれば、価格競争から距離を置きやすくなります。
代替されにくいブランドは値上げに強い
価格を理由に選ばれている店は、値上げによって魅力が弱まりやすくなります。同じような料理をより安く提供する店があれば、利用者は簡単に移動できるためです。
一方、特定の店でしか得られない味や体験があれば、ほかの店では完全に代替できません。吉野家の牛丼を好む利用者にとっては、競合チェーンの牛丼が同じ価格で提供されていても、まったく同じ価値ではありません。
そのため、商品への支持が十分に築かれていれば、原材料費や人件費の上昇に合わせて価格を見直す余地が生まれます。もちろん、値上げの幅やタイミングには慎重な判断が必要です。それでも、価格以外の価値が弱い店に比べれば、適正価格へ移行しやすいといえます。
ブランドとは、知名度の高さだけを指すものではありません。利用者のなかに「ほかではなく、この店を選ぶ理由」がある状態です。飲食チェーンにとって、この理由を作れるかどうかが利益率や経営の安定性を大きく左右します。
串カツ田中が提供するのは料理だけではない
価格以外の価値を作っている例として、串カツ田中の店舗体験が挙げられます。串カツを安く食べられるだけでなく、店内で過ごす時間そのものに楽しさが組み込まれています。
サイコロの結果によって飲み物の内容が変わる仕組みや、大阪の大衆的な串カツ店を思わせる雰囲気など、来店を楽しい出来事に変える工夫があります。料理を食べて終わるのではなく、家族や友人との会話が生まれ、また訪れたいと感じる体験につながっています。
こうした仕組みがあると、利用者が店を選ぶ理由は価格だけではなくなります。次のような複数の価値が重なり、その店ならではの魅力になります。
- 特定の店で味わいたい料理がある
- 店内の雰囲気やサービスに楽しさがある
- 家族や友人と過ごした記憶が残る
- ほかの店では得にくい仕組みや文化がある
料理の原価や販売価格は競合店にも比較されやすい要素です。しかし、楽しかった記憶やその店らしい空気は、単純な価格比較では測れません。体験価値を作ることは、飲食店が価格競争から抜け出す有効な方法になります。
長く続く飲食チェーンには選ばれる理由がある
いきなり!ステーキや鳥貴族が抱える課題は、店舗数や価格だけの問題ではありません。利用者にとって、その店でなければならない理由をどこまで作れているかが問われています。
商品やサービスの違いが分かりにくければ、利用者は安い店や近い店を選びます。その状態では、値上げによる客離れを恐れながら、低い利益率で店舗を運営し続けなければなりません。反対に、独自の商品や体験が支持されていれば、適正な価格を設定し、従業員や店舗へ利益を還元しやすくなります。
つまり、長く続く飲食チェーンに必要なのは、単に安く提供する力ではありません。「この味が好き」「この店は楽しい」「ここで過ごしたい」と感じてもらえる価値を積み重ねることです。
吉野家のブランド力と串カツ田中の体験価値は、形こそ異なりますが、どちらも価格以外の来店理由を作っている点で共通しています。出店数による成長が限界を迎えたあとも選ばれ続けるには、他店では代替しにくい価値を育てることが重要です。
出典
本記事は、YouTube番組「「いきなり!ステーキ」と「鳥貴族」は長くないビジネス…!?堀江が語る「吉野家」との違いとは【NewsPicksコラボ】」(堀江貴文 ホリエモン/2019年9月5日公開)の内容をもとに要約しています。
読後のひと考察
- ✅ 飲食チェーンの将来は、過去に失速したかどうかだけでなく、その後に出店、人材、投資の配分を修正できたかで判断する必要があります。
- ✅ 鳥貴族は2025年7月期に既存店売上を伸ばし、国内の未出店地域や海外にも出店しており、過去の店舗拡大による失速から経営戦略を変化させています。
- ✅ いきなり!ステーキは主力事業で利益を確保している一方、会社全体では利益の余裕が小さく、収益性が低下した店舗の損失を吸収する力が課題になります。
過去の失速だけで飲食チェーンの将来は決められない
飲食チェーンが急速な出店によって業績を悪化させた場合、その事業モデル自体が限界を迎えたように見えることがあります。しかし、一度店舗を増やしすぎたことと、その後も長く続けられないことは同じではありません。
店舗拡大の失敗を経験した企業でも、不採算店舗を整理し、既存店の運営を改善し、新しい出店地域を選び直すことで立て直せる可能性があります。反対に、過去の成功方法にこだわり、売上を増やすために同じ地域への出店を繰り返せば、再び同じ問題に直面するでしょう。
つまり、飲食チェーンの本当の強さは、最初から失敗しないことではありません。市場や利用者の変化に合わせて、店舗、人材、資金の配分を変更できることです。
鳥貴族は過去の失速から出店地域を広げている
鳥貴族を運営するエターナルホスピタリティグループの2025年7月期有価証券報告書によると、国内では熊本県、新潟県、香川県への初出店を含め、合計24店舗を新たに出店しました。期末時点における国内の鳥貴族は661店舗となっています。
同年度は既存店売上が前年度を上回り、連結売上高は約463億5700万円と、前年度から10.6%増加しました。新しい店舗を増やしただけでなく、すでに営業している店舗の売上も伸びていたことが確認できます。
また、同社は国内の未出店地域に加え、米国、韓国、中国、台湾、香港にも店舗を広げています。会社は海外展開を長期的な成長戦略として掲げており、特定の国内商圏だけに出店を集中させる経営から、より広い市場へ進む段階に入っています。
新しい地域への出店が必ず成功するとは限りません。それでも、過去に店舗が集中した地域で出店を繰り返すより、新しい需要を開拓できる可能性があります。鳥貴族を評価する際には、過去の店舗拡大による失速だけでなく、その後に出店戦略をどのように変えたかまで見る必要があります。
人件費の増加は単なる経営悪化とは限らない
エターナルホスピタリティグループは売上を伸ばした一方で、2025年7月期の営業利益は約31億2100万円となり、前年度から3.9%減少しました。
有価証券報告書では、食材や飲料の原価上昇、海外出店に伴う準備費用、光熱費の高騰などに加え、従業員1人あたり4.8%の賃金引き上げと、店舗スタッフの充足率向上による人件費の増加が減益要因として挙げられています。
利益だけを見れば、売上が増えたにもかかわらず減益した状態です。しかし、従業員を十分に確保できなければ、営業時間の短縮や接客品質の低下、既存従業員への負担集中が起こりかねません。賃金引き上げによる人件費の増加は、短期的には利益を押し下げますが、人員の確保や店舗運営の安定につながる投資と見ることもできます。
厚生労働省の「令和7年上半期雇用動向調査結果の概況」では、2025年6月末時点における全産業の欠員率は2.6%でした。これに対して、宿泊業・飲食サービス業の欠員率は4.8%と、調査対象となった産業のなかで最も高くなっています。
外食企業にとっては、店舗を出せる場所があるかだけでなく、そこで働く人を確保できるかが成長の条件になっています。人件費を抑えた企業が必ずしも強いのではなく、必要な待遇を用意しながら利益を残せる企業が、長期的には出店を続けやすいと考えられます。
いきなり!ステーキは主力事業と全社利益を分けて見る必要がある
ペッパーフードサービスの2025年12月期有価証券報告書によると、いきなり!ステーキ事業の売上高は約138億3200万円で、前年度から2.3%増加しました。同事業のセグメント利益は約15億3200万円となり、前年度から18.8%増加しています。
この数字だけを見れば、いきなり!ステーキ事業は売上と利益を伸ばしており、事業そのものが赤字というわけではありません。会社も、有価証券報告書のなかで、いきなり!ステーキ事業が全社業績を牽引し、全社営業利益が2期連続で黒字になったと説明しています。
一方、会社全体の売上高は約145億5300万円でしたが、営業利益は約4200万円、経常利益は約4400万円にとどまりました。売上高経常利益率は0.31%であり、売上規模に対して会社全体に残る利益は大きくありません。
さらに、収益性が低下した店舗資産について約9700万円の減損損失を計上したことなどから、最終的には約1億1400万円の赤字となりました。減損損失とは、店舗などの資産から将来回収できると見込まれる金額が帳簿上の金額を下回った場合に、その差額を損失として計上する会計処理です。
したがって、いきなり!ステーキの課題は、利用者がいなくなり、主力事業がまったく利益を生み出せなくなったことではありません。主力事業が利益を出していても、本社費用やほかの事業の損失、店舗資産の減損などを含めると、会社全体の利益がわずかしか残らない点にあります。
利益の余裕は失敗を修正するために必要になる
飲食チェーンが新しい店舗や業態へ挑戦すれば、すべてが計画どおりに成功するとは限りません。立地が利用者の動きに合わなかったり、想定より客数が伸びなかったり、食材費や人件費が上昇したりすることがあります。
そのときに重要になるのが、失敗や想定外の費用を吸収できる利益の余裕です。収益性が低下した店舗や、投資回収に時間がかかる新業態があっても、ほかの店舗が十分な利益を生み出していれば、閉店や業態変更、再投資といった修正を行えます。
反対に、会社全体の利益率が低ければ、ひとつの店舗や事業で損失が発生しただけでも、全社の最終利益が赤字になりかねません。店舗数が多いことよりも、失敗を吸収し、次の改善に使える利益を持っていることが重要です。
鳥貴族は、既存店売上を伸ばしながら新しい地域や海外へ出店し、同時に従業員の賃金と人員確保にも費用を使っています。一方、いきなり!ステーキは主力事業で利益を伸ばしていますが、会社全体では利益の余裕が小さい状態です。
長く続く飲食チェーンとは、失敗しない企業ではありません。失敗や環境変化が起きたときに、店舗、人材、資金の配分を見直し、次の形へ移れる企業です。急成長が止まった後にどのような修正を行うかによって、そのチェーンの本当の寿命が決まるのではないでしょうか。