なぜ「投資」はおすすめされがちなのか?
多くの人が「資産を増やすには投資しかない」と思いがちですが、堀江貴文(ホリエモン)はその考えに真っ向から異を唱えます。
そもそも、多くの人が「お金を増やしたい」と考えるのは、月収が少なく「今より良い生活をしたい」から。しかし、その「良い生活」とは、たいていが「広い家」「高級な食事」「海外旅行」など、誰もが想像できる類型的なものです。
ホリエモンは、こうした「金で得られる豊かさ」への欲求を否定しませんが、「本当にそれが必要か?」と問い直します。例えば彼は、田舎育ちだったため「広い家」には慣れており、都会の高級マンションに価値を感じない。また、高級食材も月に1回程度なら誰でも体験できると指摘します。
資産がない人が「投資」で勝てない理由
● 原理原則として「金持ちが勝つ」世界
ホリエモンは、「投資においては、お金持ちが常に有利」という事実を冷静に説きます。
「投資金額が1兆円の人と10万円の人が戦ったら、10万円の人が確実に負ける」
なぜなら、投資とは「お金が色を持たない」世界であり、資金力こそが武器だからです。つまり、1億円でも10億円でも100億円でも、その“額”がそのまま競争力に直結します。
● 少額投資は「養分」にされる構造
市場には10万円前後しか投資できない人が無数にいます。そうした「小口投資家」は、有望な案件に殺到するため競争が激化し、リターンはどんどん薄まります。結果、彼らの多くは「勝てない」だけでなく、構造的に「養分」として吸い上げられる側になるのです。
「結局、ほとんどの人は“負ける側”に回る。だからやらない方がいい」
“宝くじ的中”は投資ではない
ホリエモンは、たまたまビットコインが爆上がりした時に買っていた人が儲かったケースなどを「投資」とは認めません。それはあくまで「運」によるものであり、本質的には「宝くじ」と同じく再現性がないからです。
唯一の「勝てる可能性」=自己投資と事業
ホリエモンが提案するのは明快です。
「少額資産の人が勝ちたいなら、“自己投資”して“自分で事業を始める”しかない」
理由はシンプルで、「自分で事業を始める人」が非常に少ないから。供給が少ない領域であれば競争も少なく、希少性という形で優位性が得られます。
また、大金を持っている人はすでに“労働”から解放されており、わざわざ新しい事業を始めることはない。だからこそ、まだ動ける人間が自分で始めることに「勝ち筋」があるのです。
自分の時間を最大限に活用せよ
ホリエモンは「自分の人生の“可処分時間”をいかに増やすか」を重視します。
たとえば…
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掃除・洗濯 → 業者に依頼
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料理 → 外食
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移動 → 自分で運転せず人に任せる
このように「お金で時間を買う」発想が、効率的な人生の過ごし方だといいます。
「時間は限られている。買えるなら迷わず買うべき」
お金で得られる「楽しさ」は限定的
結局のところ、お金で買える「豊かさ」は意外と限定的です。
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家:広ければ満足?
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食:月に1回高級料理を食べるだけで満たされる?
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旅行:頻繁に行けば飽きる?
ホリエモンは「本当に楽しいこと」は「自分がやること」「自分が体験すること」にこそ価値があると語ります。
「なんとなく投資したい」は危険な幻想
現代では、「投資は当たり前」「みんなやってる」といった空気が社会全体に広がっています。しかし、ホリエモンはこの“投資=常識”という空気に対しても疑問を呈します。
「投資で勝つなんてほぼ無理。だから、“なんとなく”で始める人は絶対にやめた方がいい」
この言葉の背後には、「知識も経験も乏しいまま投資を始めれば、確実にカモにされる」という冷厳な現実があります。
「お金でお金を増やす」幻想のルーツとは?
ホリエモンは、そもそも「投資すれば儲かる」と多くの人が信じている背景には、メディアや金融商品を売る側の“都合”があると見ています。
つまり、世間には「投資を推奨した方が儲かる人たち」がいて、そうした構造が“投資ブーム”を演出しているというわけです。
「あなたにとっての利益じゃなくて、誰かのビジネスモデルになってる」
少額資金で投資を始める=ハンデ戦を挑むようなもの
ホリエモンは再三にわたり、「資金が少ない人が投資市場に参加すること自体が不利」だと指摘します。
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10万円では選べる投資先が限られる
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小口投資は競争が激しい
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良い投資先にはお金持ちが集まり、条件は厳しくなる
このような状況下で、小さな資金で戦うというのは、まるで「ハンデを負ってプロに挑む」ようなものであり、冷静に考えれば“勝つ方がおかしい”のです。
「自分に投資する」という最強の選択肢
ホリエモンが繰り返し提唱するのが「自己投資」という考え方です。ここでいう自己投資とは、いわゆる“本を読む”とか“スキルを磨く”という狭義の意味ではありません。
「自分に投資して、事業を始める」
たとえ数十万円の資金しかなくても、商品開発、Webサービス、飲食店、YouTubeチャンネルなど、現代では個人が事業を始めるための手段は山ほどあります。
しかも、「事業を始めようとする人」が圧倒的に少ないため、競争が少ない分だけ勝てる可能性が高くなる。このロジックは、裏返せば「投資市場に参入する人が多すぎるから勝てない」とも言い換えられます。
「お金があってもやることがない」という事実
動画の最後でホリエモンが語った印象的なメッセージがこちらです。
「お金でできることなんて、たいして多くない」
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広い家
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美味しい食事
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高級車
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海外旅行
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ラウンジ・キャバクラ
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愛人
…こうした「お金で買える体験」は確かに派手ですが、突き詰めるとどれも「一過性」であり、飽きが来るものです。
本当に価値のある体験とは、「自分で何かを成し遂げること」や「自分が能動的に関与できること」。つまり、「やらされる側」ではなく「やる側」になることこそが、人生における“楽しさ”の源泉なのです。
時間こそ、真に“買うべき資産”
ホリエモンは「お金を使うべきは時間を買うとき」だと語ります。
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家事代行
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外食
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運転を人に任せる
これらはすべて「可処分時間を最大化する」ための手段です。お金を貯めるよりも、自分の時間をどう活かすかに目を向けるべき。なぜなら、時間は戻らず、限られているからです。
まとめ|資産がない人は、まず「動け」
本動画の核心を一言でまとめるとこうなります。
「少額資金で“投資”しても養分になるだけ。まずは自分で事業を始めるか、自己投資で武器を持て」
つまり、「お金を運用する」のではなく、「自分が運用される側から抜け出すこと」が先決だというのがホリエモンの哲学です。
これから投資を始めようか迷っている人、「なんとなく」投資を始めたい人は、今一度、自分の“本当の目的”を問い直してみる価値があるでしょう。